失敗できる強み

人間の脳は柔軟だ。

 

ガラス張りの床の下に、穴や坂が作られた空間で

人の赤ちゃんは関係なく動き回る。

ガラス張りなので落ちることはないが、もしガラスがなければ

当然落っこちてしまう。

仮にヒヨコに同じことをさせると、絶対その穴や坂には落ちないようにするという。

 

自然の中ではヒヨコは落ちれば助けられない可能性が高い。

だから、生まれつき危険なことはしないよう本能にインプットされている。

 

では、人の赤ちゃんはなぜ本能にインプットされていないのか。

人の場合はたとえ落ちたとしても親が助けてくれる。

そして、「これは危ない」と学ぶ。

生まれる前の本能のまま何も変わらないヒヨコではなく、

何も知らないからこそ、失敗しながら学んでいくことができる。

それが人の脳の素晴らしさなのだ。

 

確かに、初めから備わった能力だけで一生いきていく生き物が多数なのに、人は生まれた後に多くを学び成長する生き物。

脳科学的にも学びを続けることはとても大切なことなのだ。それも失敗を通じての学びはとても貴重な経験になる。

 

【参考文献】パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学(扶桑社新書) / 池谷裕二/著